Pulvinula sp. no.4
Pulvinula sp. no.4
焚火跡に生じる小型のチャワンタケ類。7月23日撮影。
[特徴]
子嚢盤はやや肉厚の皿状。直径 2-6 mm.
子実層面はやや橙色を帯びたピンク色。外面は白っぽく、平滑。
無柄でやや広く基質に固着し、基部周辺には白色の菌糸がわずかに広がる。
子嚢は円筒形、8胞子を一列に生じる。145-158 × 9.2-11.0 μm.
側糸は糸状、隔壁がある。ほとんど上下同幅で径 1.2-2.0 μm.
先端付近で分岐し、先端は丸くカーブする。ほとんど無色だが、まばらに淡赤色の油球がある。
子嚢胞子は球形、薄壁平滑。直径 7.8-8.9 μm. で内容はほとんど一様に見える。
托組織は膨らんだ菌糸が混じる絡み合い菌組織の髄層と丸みを帯びた多角菌組織の外皮層に分かれる。
表面からは隔壁のある先の丸い薄壁の菌糸がまばらに出る。
比較的新しい焚火の炭上に群生していたもの。
胞子が比較的小型な種類である。Pulvinula archeri (Berk.) Rifai か、その近似種だと思う。
[参考文献]
Rifai (1968): The Australasian Pezizales in the herbarium of the Royal Botanic Gardens Kew.