Pyrenopeziza sp. no.3
Pyrenopeziza sp. no.3.
ピレノペジザ属菌。4月15日撮影。
[特徴]
群生する。子嚢盤は植物組織中から生じ、表皮を破って現れる。
始めは壷状球形、後に浅い皿状に開き、径 1.5 mm. までになる。子実層面は殆んど無色だが托の色が透けて見え、肉眼では灰茶褐色。
縁は僅かに内屈し、白色微毛状に縁どられる。外面は黒褐色、肉眼ではほとんど平滑、ルーペ下ではややざらついた微毛状。
短柄があるが外からは殆んど見えず、座生状。--
子嚢は棍棒形、かぎ形構造から生じ、先端は僅かに肥厚し頂孔はメルツァー試薬で小さく青変する。8胞子あるいは4胞子を生じる。
(8胞子性の場合は2列、4胞子の場合は先端に固まる)48-63 × 5.7-6.9 μm. --
側糸は糸状、ほぼ上下同幅、基部に隔壁があり、全体に一様な無色の内容物がある。径 2 μm. 程度。--
子嚢胞子は長楕円形、わずかに左右不対称、ほとんど無色、平滑、両端に少量の油滴状内容物がある。10.5-12.0 × 2.3-2.8 μm. --
托組織髄層は絡み合い菌糸組織、外皮層は厚さ 55-90 μm.、多角菌糸組織で、淡褐色でやや厚膜の径 8-15 μm. の細胞よりなる。
最外層の細胞は濃色で丸みを帯び、径 6-12 μm. 程度。縁部の細胞は淡色で細長く数個が連なって毛状になる。
[コメント]
草本の枯茎上に群生していた物。刈り取った雑草を野積みしたもので、おそらくセイタカアワダチソウ (Solidago altissima) だと思われる。
4胞子性の子嚢が2~3割ほど見られたが安定した特徴かどうかわからない。
Solidago 属に発生する Pyrenopeziza solidaginis (Karst.) Schröter ではなさそう。
[別図2]
同日撮影。
[参考文献]
Hütter (1958): Untersuchungen über die Gattung Pyrenopeziza Fuck. (Phytopathologische Zeitschrift ; 33(1), p. 1-54).
[初掲載日: 2017.07.07]