Pyronema omphalodes

Pyronema omphalodes (Bull.) Fuckel
 焚火跡に群生する小型のチャワンタケ。１０月２７日撮影。

 [特徴]
 子嚢盤はクッション形、レンズ形などで直径 1 mm. 程度。柄は無く基質にやや広く固着する。
 密生して全体が塊状になり、数センチ程に広がる事もある。
 子実層面は橙色から赤橙色、外面の詳細は確認し難いが周辺部下面から基質上にかけてわずかに白色菌糸が広がる。
 子嚢は円筒形、８胞子を一列に生じ、ヨード反応は無い。200-230 × 14.3-17.2 μm.
 側糸は糸状、隔壁がある。径 5 μm. 程度で先端は円いがほとんど膨らまない。内容はやや赤みを帯びる。
 子嚢胞子は楕円形。無色薄壁で平滑。顕著な内容物は見られない。14.3-16.6 × 9.2-10.2 μm.

 河川敷の焚火跡炭上に群生していたもの。
 焚火は１０月１日以降のものであり、焚火後かなり早期に発生するキノコである。
 近似種の P. domesticum は、胞子がやや大きく子嚢盤縁部には尖った毛があるという。
 かなりたくさんの子実体を検鏡してみたが、毛を見つけることができなかったので P. omphalodes としておく。

 [参考文献]
 Akechi (1965): Some morphological and ecological studies on Pyronema domesticum collected in Japan. (Trans. Mycol. Soc. Japan ; 6(2). p. 37-43)
 Breitenbach and Kränzlin (1984): Fungi of Switzerland. vol. 1.