Ramsbottomia crec'hqueraultii
Ramsbottomia crec'hqueraultii (Cr. et Cr.) Benkert & Schumacher
地上生小型のチャワンタケ類。6月25日撮影。
[特徴]
子嚢盤は皿形ないしクッション形、無柄でやや広く固着する。直径 2-4 mm.
子実層面はやや黄色っぽいオレンジ色。縁はわずかに盛り上がって白っぽく、ほとんど全縁。
外面はほとんど平滑で、ルーペでは基部付近には基質に向かって伸びる菌糸が見える。
子嚢は円筒形、有蓋、8胞子を一列に生じる。230-295 × 20-26 μm.
側糸は糸状、隔壁がある。径 4.0-4.8 μm.、 先にいくに従い次第に膨らんで 9.0 μm. までになる。
先端付近には黄橙色の内容物がまばらにある。
子嚢胞子はほぼ球形、未熟な時は平滑で泡状の内容物があるが、成熟すると針状突起に覆われ、内容物は不明瞭になる。
突起を除いて径 14.8-17.2 μm.、 針状突起は高さ 2.5-3.8 μm. の錐状で基部で径 1.0-1.4 μm. 程度。
少なくとも基部では四角形やダイヤ形等の形をしていて、角錐状に見える。
湧き水の近く、コケの疎らに生えた湿った地面に少数発生していた。
従来 Lamprospora 属とされていたもの。
その内、コケ生でない胞子の突起が針状の種が Ramsbottomia 属とされている。
外面にあるという "brownish hyphoid hairs" は認められない。
若干の疑問はあるが Rifai の Lamprospora crec'hqueraultii に良く当てはまるので上記の名前を当てておく。
[参考文献]
Benkert and Schumacher (1985): Emendierung der Gattung Ramsbottomia (Pezizales). (Agarica ; 6(12), p. 28-46)
Rifai (1968): The Australasian Pezizales in the herbarium of the Royal Botanic Gardens Kew.