Rhopographus filicinus
Rhopographus filicinus (Fr.) Nitschke
ロポグラフス フィリキヌス。2月11日撮影。
[特徴]
子嚢子座は寄主表皮下に発達し、細楕円形、表皮は少し盛り上がってドーム状になり、肉眼では暗褐色、1.5-3 × 0.3-0.5 mm. 程度、時に隣接する子座と融合して 1 cm. 程度までになる。
数個の小房子嚢室をほぼ一列に生じる。やがて表皮の中央が縦に裂け、僅かに頂孔が現れる。--
小房子嚢室はやや縦長の楕円形、170-200 × 140-170 μm. --
子嚢は棍棒形、やや厚膜、基部にはかぎ形構造がありほとんど無柄、メルツァー試薬に呈色しない。8胞子を不規則な2列に生じる。128-178 × 18-21.5 μm. --
子嚢胞子は紡錘形、僅かに左右不対称、淡黄褐色、やや厚膜、平滑、両端はやや丸く、横に4-5隔壁を生じ、隔壁部はやや括れる。各細胞に比較的大型の油球を含み、
両端には無色帽状の付属糸様の被膜がある。32.8-40 × 8.8-11.5 μm.
[コメント]
ワラビ (Pteridium aquilinum subsp. japonicum) と思われる枯れたシダの葉柄に生じていたもの。冬から春にかけて、細長い豹柄状になった葉柄はよく目立つ。
スイス図鑑の図版とは肉眼的な特徴が少し異なるけれども、この学名を当てておく。
[参考文献]
Breitenbach and Kränzlin (1984): Fungi of Switzerland. vol. 1. Ascomycetes.
Ellis and Ellis (1997): Microfungi on land plants : an identification handbook. New enlarged ed.
Obrist (1959): Untersuchungen über einige "dothideale" Gattungen. (Phytopathologische Zeitschrift ; 35(4), p. 357-388).
[初掲載日: 2021.03.17] //
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