Sawadaea nankinensis
Sawadaea nankinensis (F.L. Tai) S. Takam. & U. Braun
トウカエデうどんこ病菌。6月14日撮影。
[特徴]
トウカエデに発生し、新梢や新葉に厚い白色粉状の菌叢を生じる。菌叢は葉の両面(主に裏面)に生じ、永存性、斑点状から後には融合してほぼ全面に拡がる。菌糸は隔壁があり、径 5-7 μm.、付着器は不明瞭。--
分生子柄は表面菌糸から直立し、円柱形、1-2個の隔壁があり、45-100 × 7.6-9.8 μm.、数個の分生子を鎖生する。鎖生した分生子の隔壁部は波状になる。--
分生子は両端が乳頭状に突出するレモン型、ほぼ無色、薄壁、平滑、大型のフィブロシン体を含む。30-43 × 18.5-22.6 μm. --
明瞭な小型分生子柄と小型分生子を観察できなかった。完全世代も未確認。
[コメント]
春から初夏にかけて、公園等に植栽されたトウカエデ (Acer buergerianum) に不完全世代が発生する。
侵された新梢や若葉は萎縮して淡く赤変するものが多く、白い菌叢に厚く覆われるので遠目でもよく判り、場所によってはかなり被害が著しい。
小型分生子柄と小型分生子、完全世代を確認できなかったが、特徴が良く一致するので表記の学名で整理しておく。
[参考文献]
Takamatsu et al. (2008): Sawadaea nankinensis comb. nov.: a powdery mildew fungus of Acer buergerianum. (Mycoscience ; 49, p. 161-167).
堀江・菅田 (1985): 東京都におけるトウカエデ首垂細菌病およびうどんこ病の発生生態と防除. (東京都農業試験場研究報告 ; 18, p. 73-95).
[初掲載日: 2022.06.30] //
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