Scleromitrula shiraiana
Scleromitrula shiraiana (Henn.) Imai
キツネノヤリタケ。5月2日撮影。
[特徴]
子実体は菌核から1ないし数本生じ、頭部と柄からなる。
頭部は蜜色ないし淡褐色で紡錘形や長卵形など。7-14 × 3-6 mm.
縦に走る数本の隆起があり、絞ったハンカチの様な形になる。子実層は稜の部分を含めて頭部全面に形成される。
柄との境界部は小さな襟状になる。柄は径 1 mm. 程度で高さ4-7 cm. 程度。ほぼ平滑で黒褐色だが上半はやや淡色。
子嚢は円筒形、8胞子を一列に生じるが後には2列になって先に固まる。頂孔は I-。85-94 × 6.2-8.6 μm.
側糸は糸状、隔壁がある。ほとんど上下同幅で径 2.5-3.0 μm.
子嚢胞子は長卵形ないし長楕円形でやや左右不対称。 8.4-11.6 × 3.2-4.2 μm.
菌核はほとんど黒色。ミイラ化したマグワの果実に形成される。
春、マグワの樹下に落ちた果実に生じた菌核から発生する。
キツネノワンと同じ所に発生するがキツネノヤリの方が一週間ほど遅れて発生する。
珍しいという程ではないが、出会う機会は比較的少ない。
[参考文献]
Kohn and Nagasawa (1984): The genus Scleromitrula (Sclerotiniaceae), Episclerotium gen. nov. (Leotiaceae) ... (Trans. mycol. Soc. Japan ; 25. p. 127-148)
Schumacher and Holst-Jensen (1997): A synopsis of the genus Scleromitrula (=Verpatinia). (Mycoscience ; 38, p. 55-69)