Scutellinia sp. no.12
Scutellinia sp. no.12.
アラゲコベニチャワンタケ属菌。9月14日撮影。
[特徴]
子嚢盤は肉厚の平盤状で子実層面は凸型になる。直径 3-4 mm.、子実層面は黄橙色、縁部は僅かに子実層面より盛り上がってやや厚く、無色半透明。
褐色の短い縁毛をまばらに生じるが肉眼ではほとんど確認できない。
外面は子実層の色が透けて淡黄橙色に見えるが、表面の組織はほぼ無色。柄は無く、基質に広く固着する。--
子嚢は円筒形、薄壁、有蓋、メルツァー試薬に呈色しない。8胞子を一列に生じる。基部は2叉状になる。194-212 × 17.0-20.0 μm. --
側糸は糸状、基部付近で分岐する。隔壁があり径 3 μm. 程度、先端は棍棒状に膨らんで 9-10.9 μm. になる。全体に淡橙色の顆粒状内容物があるが、先端細胞はほとんど無色。--
子嚢胞子は楕円形、無色、内容物は泡状、突起を除いて 20.6-22.9 × 12.2-12.9 μm.、表面にはコットンブルーに良く染まる径 0.5 μm. 程度までの丸くて低い小疣状突起が一様に分布し、互いに結合しない。--
托組織髄層は絡み合い菌糸組織、外皮層は厚さ 150-180 μm. 程度、70 × 40 μm. 程度までのほぼ無色で薄壁の多角形細胞からなる。
縁付近の細胞は丸みを帯び、径 40-50 μm. 程度まで。外面の毛は外皮層の深部から生じ、褐色、厚膜で隔壁があり先端は尖る。基部は細くなり、末端は截断状で分岐しない。
縁部の毛で 200-260 × 20-25 μm.、下面の毛はやや短く、長さ 170 μm. 程度までになる。
[コメント]
シイ林内の湧水に浸った朽木片(おそらく広葉樹)に発生していたもの。
[初掲載: 2018.04.06]