Scutellinia sp. no.5
Scutellinia sp. no.5
アラゲコベニチャワンタケ類。10月13日撮影。
[特徴]
子嚢盤は無柄、比較的広く基質に固着する。椀形から皿形に開き直径 5-12 mm.
子実層面は橙色で平滑。外面は白っぽく、褐色の剛毛が生えているが縁付近では密生している。
子嚢は円筒形、8胞子を一列に生じる。基部は急に細くなる。250-290 × 18-23 μm.
側糸は糸状、隔壁がある。径 3.0-4.0 μm.、先端は棍棒状に膨らんで 8.0-9.5 μm. までになり全体に淡橙色の内容物がある。
子嚢胞子は広楕円形、無色薄壁で泡状の内容物がある。20.6-22.9 × 13.7-14.5 μm.
表面にはコットンブルーに染まる細かな疣がある。高さは低く、直径は 1 μm. 以下の不整形で、時に融合する事もある。
縁の剛毛は褐色厚膜、隔壁があり先は尖る。基部は少し細くなるが分岐する事はほとんど無い。350-430 × 20-28.6 μm.
かなり腐朽の進んだ古畳にヒトヨタケ類、Lasiosphaeria 属菌等と共に発生していたもの。
一般的に Scutellinia 属のキノコは群生する事が多いが、これはぽつぽつと少数が発生していた。
子実層面の色はかなり明るく、縁部の剛毛は短いが比較的長さが揃っていて密度が高い。
Schumacher の検索表では S. nigrohirtula (Svrček) Le Gal に落ちるが、縁毛の短い Scutellinia 属は京都あたりでも何種かある。
[参考文献]
Schumacher (1990): The genus Scutellinia (Pyronemataceae). (Opera botanica ; 101)