Sphaeropsis sapinea
Sphaeropsis sapinea (Fr.) Dyko & Sutton
ディプロディア病菌。6月1日撮影。
[特徴]
マツ類の枯葉に分生子殻が群生する。
分生子殻は組織中に埋没して発生し、後に表皮を破って上部が露出する。不正球形、表面はやや粗造で黒色、頂部はやや突出し孔口がある。径 300-500 μm. --
分生子形成細胞は分生子殻内壁から立ち上がり、無色、基部はやや球根状に膨らみ、細く伸びた先端に分生子を単生する。長さ 10 μm. 前後。--
分生子は厚膜、長円形、長卵形等変異が比較的大きく、始め淡色、後には暗褐色になる。表面には小孔があり、粗面状に見える。
基部には着生痕が径 3 μm. 程度の截切状に残る。31.4-40.2 × 11.2-14.9 μm. --
分生子殻壁は黒褐色厚膜の多角形細胞からなる。
[コメント]
立枯れ状のアカマツ (Pinus densiflora) の葉に群生していた物。かなり普通に見かける。成熟した分生子殻は、水でマウントすると直ちに大量の分生子を放出し始める。
文献では分生子は時に隔壁を生じるとされるが、隔壁のある分生子を確認できなかった。病名は現在ではシノニムとされている Diplodia pinea (Desm.) Kickx に基づく。
Swart and Wingfield (1991) に拠ると、分生子表面が平滑な Type A と、分生子表面に小孔のある Type B があり、生理的特徴も少し異なると言われる。
[参考文献]
Swart and Wingfield (1991): Biology and control of Sphaeropsis sapinea on Pinus species in South Africa. (Plant disease ; 75(8), p. 761-766).
小林ほか (1992): 植物病原菌類図説.
[初掲載日: 2019.06.21] //
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