Spooneromyces velenovskyi
Spooneromyces velenovskyi (Vacek ex Svrček) Van Vooren = Humaria velenovskyi (Vacek ex Svrček) Korf & Sagara
イバリスズメノワン。10月11日撮影。
[特徴]
子実体は地上、枯葉上などに散生する。初め椀状, 後には殆んど平らな皿状に開く。
直径 4-8 mm.、子実層面は乳白色ないし灰色を帯びたクリーム色。縁は全縁でわずかに立ち上がって反り返る。
外面も同色で褐色の剛毛がまばらに生え、縁部の毛は長く伸びる。柄は殆んど無く、やや広く基質に固着する。--
子嚢は円筒形、先端に蓋がありメルツァー試薬に呈色せず、基部は叉状。8胞子を一列に生じる。165-186 × 11.2-14.3 μm. --
側糸は糸状、隔壁があり、分岐は確認できない。径 2.5-3.0 μm.、先端は棍棒状に膨らんで 5 μm. までになり、ほぼ無色の泡状油球を少数含む。--
子嚢胞子は楕円形、無色、表面には細かな疣があり、両極付近には細かな泡状の内容物がある。
疣を除いて 14.0-14.9 × 6.0-7.7 μm.、疣は短径片面で 10-12 個程度で、高さは 0.5 μm. 程度、コットンブルーによく染まる。両端付近の疣はやや高めに見える。--
托組織髄層は無色薄壁の絡み合い菌糸組織、外皮層は厚さ 150 μm. 程度まで、殆んど無色で径 10-60 μm. 程度の丸みを帯びた多角形細胞からなり、最外層はやや褐色を帯びる。
外面の剛毛は褐色厚膜で表面の細胞から生じる。縁付近と基部近くでは若干異なる。
縁付近のものは 300-400 × 22-30 μm. で基部は急に太まり、先端はややとがり、数個の隔壁がある。
基部付近のものは 74-92 × 18-23 μm. で先は丸く、2-3 個の隔壁がある。
[コメント]
アンモニア菌の仲間。自然状態で見つけることは滅多にない。実験的に尿素を散布すると様々な環境で発生するが、発生量は比較的少ない。
タイプ標本はチェコで古い焚火跡から採集されていて、アンモニアとの関係が不明な採集例もある。
[参考文献]
Häffner and Christan (1991): Rezente Ascomycetenfunde X. Trichophaea velenovskyi (Vacek in Svrček) comb. nov. - new für Deutschland!-. (Zeitschrift für Mykologie ; Bd. 57(1), p.161-165).
Korf and Sagara (1972): Japanese Discomycete notes XVIII. Humaria velenovskyi comb. nov. (Pyronemaceae, Mycolachneeae). (Phytologia ; 24(1), p. 1-4).
Van Vooren (2014): Type-revision of Lachnea velenovskyi, a new species in the genus Spooneromyces (Pezizales). (Ascomycete.org ; 6(4), p. 89-92).
[最終更新日: 2019.10.01] //
[サイトのトップへ] //
[掲載種一覧表へ]
All rights reserved. Copyrighted by Masanori Kutsuna, 2019.