Tricharina sp. no.1
Tricharina sp. no.1
焚火跡の炭上に生じる小型のチャワンタケ類。4月29日撮影。
[特徴]
子嚢盤はほぼ無柄、椀形から平らに開く。直径 3-8 mm.
子実層面はくすんだクリーム色からやや赤みがかるベージュ色。
外面もほぼ同色で縁部には淡褐色の剛毛が束状になってまばらに生じる。
子嚢は円筒形で有蓋、8胞子をほぼ一列に生じる。157-175 × 14.2-17.2 μm.
側糸は糸状、隔壁がある。径 2.5-2.8 μm. 先端はわずかに膨らんで 2.8-3.2 μm. になる。
子嚢胞子は楕円形。無色平滑。内容物は一様。15.4-17.2 × 9.1-9.8 μm.
縁部の剛毛は淡褐色厚膜で表面から生じ、基部で 7.5-8.6 μm. 先端はやや尖り数個の隔壁があり 230 μm. までになる。
外面下面からは径 3.6-4.6 μm. の無色の菌糸が伸びる。隔壁があり先端はやや丸い。
焚火跡の炭上に群生していたもの。焚火の時期はわからないが比較的新しく、昨秋以降のものである。
子嚢盤の縁に剛毛がある、子嚢胞子が楕円形で油球を含まない、などから Tricharina 属だと思う。
Yang and Korf のモノグラフ (Mycotaxon ; 24, p. 467-531) を参照してみたが判然としない。