Trichophaea sp. no.3
Trichophaea sp. no.3.
トリコファエア属菌。11月12日撮影。
[特徴]
地上に少数が群生する。子嚢盤は肉厚で浅い椀状、直径 1.5-2.5 mm.、子実層面は乳白色、縁は全縁で僅かに襟状に立ち上がる。
外面は淡褐色、表面は褐色の剛毛に覆われる。下面の剛毛は短いが、縁部では密に生じて長く伸びる。--
子嚢は円筒形、基部は細まって短く尾状に伸び、先端は2叉状になる。8胞子を1列に生じる。183-206 × 14.2-18.6 μm. --
側糸は糸状、隔壁がある。基部付近で分岐し、また融合することもあり、径 3.0-3.5 μm. 程度。
内容物はほぼ一様で無色、先端は次第に膨らんで棍棒状になり 4.2-6.9 μm. になる。--
子嚢胞子は広楕円形、薄壁、平滑。大きな油球を一つと、小さな泡状の油球を少数含むが、大きな油球はやや偏在することが多い。16.6-20.6 × 11.7-13.8 μm. --
托髄層は無色の絡み合い菌組織、外皮層は厚さ 200 μm. まで、やや縦長で無色の多角形の細胞(45 × 30 μm. まで)からなる。
最外層の細胞はやや厚膜になり褐色を帯びる。--
剛毛は最外層の細胞より生じる。褐色厚膜で表面は平滑、少数の隔壁がある。ほぼ直線状で先端は尖る。70-220 × 11.4-15.0 μm.、
基部の細胞はやや膨らんで径 20 μm. までになる。
[コメント]
広葉樹林内、コケのまばらに生えた地上に生じていた物。Trichophaea woolhopeia に近い種だと思う。
Trichophaea woolhopeia?
としたものと同種の可能性があるが、微妙に異なる点があるので分けておく。
[初掲載日: 2010.12.09]