? sp. no.3

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? sp. no.3.
ヒノキ林内に発生する小型のビョウタケ類。1月8日撮影。

[特徴]
地中にあるヒノキの種子から普通1個、時に2個生じる。 子嚢盤は有柄、椀状からほとんど平らに開く。直径 1.5-3 mm. 子実層表面は白色ないしやや薄墨色。 外面は平滑ないし柄にかけてわずかに皺状になり、ほとんど同色。柄は細く、長さ数ミリまで伸びて地表に出る。-- 子嚢は円筒形、8胞子を一列に生じるが、後に2列になって先に固まる。頂孔はメルツァー液で青変する。95-120 × 8.0-11.5 μm. -- 側糸は糸状、径 2.0-2.5 μm.、隔壁がある。先端近くには無色泡状の内容物があり、わずかに膨らんで 3.5 μm. 程度になる。-- 子嚢胞子は楕円形、長卵形、やや左右不対称なボート形など。 無色薄壁で両端近くにわずかに泡状内容物がある。 成熟した子嚢胞子は中央付近に隔壁を生じて2細胞になる。14.3-19.8 × 3.4-5.4 μm. -- 托髄層は絡み合い菌組織、皮層は厚さ 100 μm. 程度で無色薄壁の矩形菌組織よりなりゼラチン化は見られない。 表面には油球を含む径 3 μm. 程度の菌糸があり、先端は丸くやや立ち上がる。

[コメント]
1月から2月にかけてヒノキ (Chamaecyparis obtusa) の種子から発生する。 真冬のヒノキ植林地内はほとんどキノコが見られない環境だが、これはよく見かける。 種子は子座化はしていないようだ。Hymenoscyphus 属ではないかと思う。

[別図2] 1月8日撮影。横に見える赤褐色の物がヒノキの種子。

[初掲載日: 2005.01.13, 最終更新日: 2006.01.23]