? sp. no.44

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よくわからない盤菌類。2月24日撮影。

[特徴]
地上に散生する。子実体は肉厚の円盤状ないしクッション状で径 0.5 mm. 程度まで。子実層面は紫褐色、縁は全縁、外面は僅かに淡色。柄は無く、基質に広く固着する。肉質は軟らかいがゼラチン質ではない。-- 子嚢は円筒形、薄壁、先端はやや平らになって肥厚しメルツァー試薬で呈色せず、基部にはかぎ形構造がある。8胞子をほぼ二列に生じる。80-98 × 10.8-12.3 μm. -- 側糸は糸状、無色、隔壁があり、時に分岐し、径 1.5 μm. 程度。先端は僅かに膨らんで緩やかに曲がるものが多い。下半から基部にかけて、紫褐色の物質が鞘状に付着する事がある。-- 子嚢胞子は広卵形ないし楕円形、やや左右不対称、無色、薄壁、平滑、内容は細かい泡状、10.2-10.9 × 4.0-5.1 μm. -- 托組織髄層は絡み合い菌糸組織だが、細部は観察できなかった。外皮層は厚さ 25 μm. 程度、径 6-9 μm. 程度の丸みを帯びた無色薄壁の多角形の細胞からなり、 細胞間には紫褐色のヤニ状物質がある。縁部の細胞は先端の丸い円柱状になる。

[コメント]
赤土質の湿った地上に散生していたもの。採集した時は Ascobolus の仲間かと思ったが、子嚢は無蓋で、成熟した子嚢胞子は無色なので全く異なり、該当しそうな属を思いつかない。 地表面には柔らかい糸くず状のものが薄く拡がっている。検鏡してみると 15-20 × 10-12 μm. 程度の葉緑体を含んだ細胞が糸状に繋がっていて、分岐は見られず、細胞壁はかなり厚膜である。 半ば腐朽した藻類のようだが、判然としない。このほかに、厚い莢膜に包まれた単細胞の藍藻と思われるもの等も観察できた。

[初掲載日: 2019.08.30] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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