? sp. no.47

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よくわからない盤菌類。9月29日撮影。

[特徴]
落下したクリの総苞のトゲに生じる。子嚢盤は椀形からやや平らに開き、径 2-5 mm. 程度。子実層面はベージュ色、所々に黒褐色しみ状の小斑点があるものが多い。縁は全縁、僅かに白っぽく縁どられる。 外面は殆んど平滑、淡褐色、柄は僅かに微毛状に見え、基部は黒っぽい。-- 子嚢は円筒形、先端は肥厚して頂孔はメルツァー試薬で青変する。基部にかぎ形構造は見られない。8胞子を一列に生じる。71-78 × 5.7-7.2 μm. -- 側糸は糸状、ほぼ上下同幅、分岐せず、基部付近に隔壁がある。ほぼ無色の内容物がある。径 2.0-2.5 μm. -- 子嚢胞子は長卵形、僅かに左右不対称、無色、薄壁、平滑。両極付近に小さな油球がある。8.0-10.3 × 3.4-3.7 μm. -- 子実下層は比較的濃い茶褐色、托髄層は径 6 μm. 程度までのほぼ無色薄壁で隔壁部の括れる菌糸からなる絡み合い菌組織で、外皮層との境界付近ではやや平行に走る。 外皮層は厚さ 30-50 μm. 程度、僅かに褐色を帯び、やや矩形状の 15-35 × 15-20 μm. 程度の多角形細胞からなり、組織のゼラチン化は認められない。

[コメント]
前年のものと思われるクリ (Castanea crenata) の総苞に発生していたもの。すべてトゲの部分から発生していた。子座様の組織を確認することができなかったが、キンカクキン類だろうか。 クリの総苞に生じる Ciboria americana Durand が似ていると思うが、C. americana は子嚢基部にかぎ形構造があり、托外皮層が円形~多角菌組織からなるというから別種だろう。

[別図2] 9月29日撮影。

[参考文献]
White (1941): A monograph of the genus Rutstroemia (Discomycetes). (Lloydia ; 4(3). p. 153-240).

[初掲載日: 2020.04.03] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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