? sp. no.60

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よくわからない盤菌類。6月2日撮影。

[特徴]
クリの総苞に群生する。子実体は初めは肉厚の皿形、後に子実層面は凸型になってクッション形になり、径 1.5 mm. まで。 子実層面はベージュ色を帯びた乳白色あるいは淡サーモンピンク色、縁はほぼ全縁、外面は平滑でやや濃色、柄はほとんど無く、ほぼ座生する。-- 子嚢は円筒形、先端は肥厚し、頂孔はルゴール試薬に呈色しない。基部にかぎ形構造は確認できない。8胞子を初め1列に生じ、後にやや2列状に固まる。62-74 × 6-7.5 μm. -- 側糸は糸状、基部で分岐し、隔壁がある。径 0.5-1 μm.、先端付近で分岐、屈曲するものが多い。-- 子嚢胞子は楕円形ないし卵形、無色、薄壁、平滑、両極近くに不鮮明な微小な油球がある。6.5-8.6 × 3.1-3.7 μm. -- 托組織の詳細を確認できなかったが、外面は径 6 μm. 程度までのやや褐色で丸みを帯びた多角形細胞からなり、縁部では径 1.5-2 μm. の棍棒形になって柵状に並び、やや濃色。 組織中にゼラチン化した部分は見られない。

[コメント]
古いクリ (Castanea crenata) の総苞(イガ)に発生していたもの。総苞の外面、割れた断面、トゲの基部付近に群生し、内面には発生しない。 子嚢頂孔は KOH前処理の有無にかかわらず、メルツァー試薬でも呈色が認められない。

[初掲載日: 2025.12.17] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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