Xylaria sp. no.4

Xylaria sp. no.4

Xylaria sp. no.4
クロサイワイタケ類。8月11日撮影。

[特徴]
子実体はコケの生えた地上に散生する。高さ 3-6 cm. になり、単一の柄から数回程度まで分岐し樹枝状になる。全体黒褐色。 中央あたりから上半にかけて子嚢殻が形成される。子嚢殻形成部は不規則な瘤状に膨らみ、直径 2-5 mm.、やや扁平になり表面には縦に細かい皺がある。 内実は白いが中央に材木色の髄がある。先端部近くは子嚢殻は形成されず、細い糸状になり先はやや尖る。 柄は 1-3 mm. × 6-20 mm.、表面は無毛だが細かい凹凸がある。短い根状になって地中に入るが先は特に大きな植物遺体には繋がらない様に見える。 子嚢殻は埋生し、ほとんど球形で径 400-450 μm.、先端がわずかに突出する。 子嚢は円筒形、基部は細く伸び8胞子を一列に生じる。137-150 × 5.2-5.6 μm.、先端にはメルツァー液で青変する比較的大型の栓状の構造がある。 鞭状無色の側糸状のものがあるが詳細は観察できなかった。 子嚢胞子は長楕円形で暗褐色、左右不対称。未熟時には2油滴があるが成熟胞子には認めにくい。 平らな側にほぼ全長に及ぶ直線状の発芽スリットがある。11.7-12.3 × 3.4-4.6 μm.

[コメント]
カシ林に隣接するモウソウチク林内に発生していたもの。 周囲には竹の切り株があるだけで、おそらく地中のタケの遺体から発生しているのだろうと思うが確認できずじまいである。 先端に糸状の顕著な不稔部があり子実体が分岐する種はあまり見た事が無い。
子実体表面に所々赤サビ色の菌糸が広がっている部分があった。やや厚膜褐色の菌糸には大きなクランプがあり、 低い疣のあるコンペイトウのような胞子が観察できたが正体はわからない。