初期検印紙調査メモ [国立国会図書館デジタルコレクション]. 緒方惟凖譯「勃海母藥物學」(刀圭書院, 明治15年12月~17年7月出版)

緒方惟準 (1843-1909) は医師。緒方洪庵の次男。
「勃海母藥物學」巻頭に書かれている肩書は "日本陸軍々醫監兼藥劑監 從五位勳四等緒方惟凖"。
なお、標題紙、奥付など、名前は "惟凖"("準" ではなく "凖")が使われている。
調査したのは緒方惟凖譯「勃海母藥物學」。国立国会図書館デジタルコレクション公開本。洋装、上中下巻3冊。公開本は中下巻のみ。
中巻標題紙は "緒方惟凖譯 | 勃海母藥物學 中巻 | 刀圭書院出版"。勃海母は原著者 Rudolf Boehm を指す。
中巻奥付は以下の通り。
明治十五年五月二日板權免許
同十六年十二月五日 出板
譯者 東京府士族 緒方惟凖 神田區猿樂町二丁目五番地
出板人 東京府平民 原田貞吉 神田區東紺屋町四十八番地
東京神田區東紺屋町四十八番地 刀圭書院印行
下巻は、標題紙の巻表示が "下巻"、奥付の出版日が "同 十七年七月一日" とある以外は中巻と同じ。
上巻の出版日は未確認だが、「中外醫事新報」67号(明治15年12月10日発行)には "本月十六日ヨリ頒布" と広告されている。
検印紙は中巻、下巻ともに標題紙左上部に貼られている。
模様はほとんど判別できず、楕円枠上部に "刀圭書院出版之証" の文字が確認できる。割印は菱形印、判読できない。
サイト「日本の古本屋」で公開されている同書3冊揃いのカラー画像では上巻にも検印紙が貼られているのが見える。
また、各検印紙の色も確認でき、上巻は橙色、中巻は灰青色、下巻は小豆色である。
出版人の原田貞吉 (1852-1932) は、医師、中外醫事新報社社主。明治13年に 「中外醫事新報」を創刊した。

アドレスは下記の通り。[最終閲覧確認日: 2026.01.20]
「藥物學 中巻」. [国立国会図書館デジタルコレクション リンク先 https://dl.ndl.go.jp/pid/837727]
「藥物學 下巻」. [国立国会図書館デジタルコレクション リンク先 https://dl.ndl.go.jp/pid/837728]
「勃海母藥物學」. [日本の古本屋 リンク先 https://www.kosho.or.jp/products/detail.php?product_id=212038306]

[2026.01.30 記]
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