菅野虎太 (1851-1899) は軍医。「明治過去帳」 (1971) に拠れば、退役海軍大軍医従六位、航海練習艦筑波軍医長。
号は大洲、名は "乕太" とも書かれる。
調査したのは菅野虎太譯 「羅甸七科字典」。洋装、1冊。
標題紙は "菅野" と "虎太" 以外は横書き、"羅甸 | 七科字典 | 菅野 | 虎太 | 譯 | 英蘭堂 | 出版 | 二千五百三十八年"、
ドイツ語の標題紙もあり、"LATEINISCH-JAPANISCHES | VOCABULARIUM | FUER | MEDICIN | UND |
NATURWISSENSCHAFTEN | VON | T. Kanno; | Tokey. | [ruler] | 2538."
出版年 "2538" は皇紀で表示されている。西暦では1878年で、明治11年に当たるが、
緒言には "二千五百三十九年春 大洲菅野虎太謹識" とあるので、実際の出版は明治12年以降のはずである。
奥付は以下の通り。
明治十年八月廿九日板權免許
編輯人 宮城縣士族 菅野虎太 三重縣下第八大區三小區四十二番地寄留
出版人 東京府平民 島村利助 府下日本橋區馬喰町貳丁目五番地
同人支店 府下京橋區鎗屋町十一番地
検印紙
は和文標題紙の左上部に貼られている。32.5 × 31 mm.、版面 26 × 24 mm.、目打なし、活版か。
小豆色単色、装飾活字で組まれたと思われる枠の中に "菅野虎太証券" とある。割印は "菅虎" の丸印。
出版人の島村利助は英蘭堂主人。英蘭堂は主に医学書を出版した。
三村清三郎著 「本之話」 (1930) には、島村は元は須原屋の摺師で、"老いて妾狂ひなどし、株などにても失敗したりしとか。" とある。
[2026.01.30 記]
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