初期検印紙調査メモ [国立国会図書館デジタルコレクション]. 佐野誠一郎編輯「體操便蒙」(荒井淸太郎, 明治16年9月出版)

佐野誠一郎は天童藩織田家家臣。「高等師範學校一覽」に明治14年7月卒業の体操伝習員として、
「山形縣官員錄並ニ附錄」 (1884) には、山形県師範学校の一等助教諭として名がある。
「明治二十九年十一月一日現在 職員錄 乙」 では米澤尋常中學興讓館の教諭など、
大正中期頃まで、複数の学校で教師をしているのが確認できる。佐野利器(建築学者、1880-1956)の養父でもある。

調査したのは佐野誠一郎編輯「體操便蒙」。国立国会図書館デジタルコレクション公開本。洋装、1冊。
標題紙は "佐野誠一郎編輯 | 體操便蒙 全 | 明治十六年九月出版"。
奥付は以下の通り。
明治十六年四月十二日版權免許
同 十六年九月 出版
編輯人 山形縣士族 佐野誠一郎 羽前國南村山郡山形六日町十八番地寄留
出版人 山形縣平民 荒井淸太郎 羽前國南村山郡山形十日町百七十四番地
發兌人 東京府平民 辻岡文助 東京府日本橋區橫山町三丁目二番地
検印紙は奥付上部に貼られている。目打ちは見えない。
楕円枠の内側に沿って "以有此印帋爲証" とあり、中央の楕円空白部にほぼ同形同大の "佩玉堂藏版印" の楕円印が押されている。
当時の検印紙で、中央に押印のための空白部を設けた形式は少ない。割印は角印、判読できない。

同じ検印紙が以下の出版物に貼られているのが、国立国会図書館デジタルコレクション公開本で確認できる。
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佐埜誠一朗編輯「新式小學體操圖」(荒井清太郎, 明治16年9月出版)
貼付場所は標題紙右上。中央の楕円空白部に "佩玉堂藏版印" の楕円印。割印は角印、判読できない。
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原精一編輯「小學和洋算獨學 和之部第一」(佩玉堂 荒井精作, 明治18年5月21日版権免許)
貼付場所は奥付上部。中央の楕円空白部に "原精弌編輯印" の楕円印。割印は丸印、判読できない。
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原精一編輯「小學和洋算獨學 洋之部第一」(佩玉堂 荒井精作, 明治18年5月21日版権免許)
貼付場所は奥付上部。中央の楕円空白部に "原精弌編輯印" の楕円印。割印は丸印、判読できない。

佩玉堂は教科書類をいくつか出版しているのが確認できる。荒井精太郎と精作は親子だろうか、経歴の詳細は不明。

アドレスは下記の通り。[最終閲覧確認日: 2026.02.01]
「體操便蒙」. [国立国会図書館デジタルコレクション リンク先 https://dl.ndl.go.jp/pid/860370]
「新式小學體操圖」. [国立国会図書館デジタルコレクション リンク先 https://dl.ndl.go.jp/pid/860202]
「小學和洋算獨學 和之部第一」. [国立国会図書館デジタルコレクション リンク先 https://dl.ndl.go.jp/pid/827308]
「小學和洋算獨學 洋之部第一」. [国立国会図書館デジタルコレクション リンク先 https://dl.ndl.go.jp/pid/827310]

[2026.02.10 記]
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