青木輔清は埼玉県出身の士族。参考書、辞書などの著作が多い。
明治10年10月出版の「改正増補 懐中日用便」 の奥付では埼玉県士族とあるが、
明治11年6月の同書増補改正三刻の奥付には身分表記が無い。
同年10月の「大全普通文章 漢語註解下 増訂二版」では東京府平民とあるので、この時期に分籍したのだと思う。
調査したのは青木輔清著述「海内無雙 東京文證大全」。和装、上下巻2冊。
上巻見返しの表記は "東江青木輔清著述 | 東園青木理中浄書 | 海内無雙 東京文證大全 | 版權免許 明治十四年九月廿九日 東生書館藏 [印]"。
印影は角印、墨刷り、"萬巻樓東生氏藏版之章"。見返し周囲の枠は篆書体の漢字がデザインされているようにも見える。
下巻奥付は以下の通り。一丁の表裏に亘っている。
版權免許 明治十四年第九月廿九日
刻成出版 同十四年第十二月二十日
東生書館藏 [印影:萬巻書樓出版係檢章]
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著述人 東京府平民 靑木輔清 東京日本橋區濵町二丁目拾壹番地 [印影: 東江之印]
出版人 同 東生龜治郎 同同區通旅籠町貳番地 [印影: 萬巻書樓]
發兌人 同 東生鐵五郎 同神田區小川町拾貳番地 [印影: 卐巻書堂]
印影は墨刷り。丁表右下には"東生書館 木版印刷塲 東京府深川區深川 東森下町百八番地"の角印が朱で押されている。
検印紙
は奥付上部の飾り枠内に貼られている。30 × 36.5 mm.、版面 27 × 34 mm.、目打無し、凹版に見える。
暗緑色単色、中央に"東生書館眞版之章"、四隅にはかたばみ紋、
上辺に "大日本帝國"、下辺に "東亰府書肆"、右辺に "明治十四年九月以後"、左辺に "製本之爲證" と書かれている。
楕円の割印が押されていて、"萬巻樓製本係檢章" と読める。
[2025.08.06 記]
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