初期検印紙調査メモ [国立国会図書館デジタルコレクション]. 八田達也編輯「蠶事輯説 再版」(明治20年7月出版)

八田達也 (1854-1916) は山梨県出身。生涯を通じて養蚕技術の改良普及に尽力し、山梨県会議員も務めた。
確認したのは八田達也編輯「蠶事輯説 再版」. [国立国会図書館デジタルコレクション リンク先 https://dl.ndl.go.jp/pid/840681. 最終閲覧確認 2025.08.05]
見返しの表示は "宮内省御用掛 従六位佐々木長淳校閲 | 八田逹也編輯 | 再版 蠶事輯説 | 山梨 晩翠八田氏蔵"。
奥付は下記の通り。
明治十九年三月十六日版權免許
仝 二十年六月二日再版御届 〔定價金三拾錢〕
仝 年七月 出版
編輯兼出版者 山梨縣平民 八田達也 東八代郡鵜飼村第貳百七拾九番地
畫工 東京 安達吟光
發兌 東京書肆 有隣堂 穴山篤太郎 [印] 京橋區南傳馬町貳丁目十三番地
賣捌 各府縣書房
検印紙は奥付上部に貼られている。方形、丸枠の中に富士山の絵と "版權所有"、下部のリボンに "八田"、下部中央に "証"、四隅にカイコの絵が描かれている。
四辺周囲に並んだ俵型のものは繭だろうか。割印は "八田之印" の楕円印。

八田の検印紙はもう一種確認できる。ほぼ同時期に作成されたと思われる 「富士風穴略説」 (山梨県立図書館甲州文庫:甲096.3-121-3)には、
中央に八田の肖像、上部に"版權所有"、下部に "八田達也" と記された検印紙が貼られ、割印(判読困難)が押されている。
八田は、カイコの卵を涼しい富士山の風穴に保管する事でカイコの孵化をコントロールしたので、その説明の為に作成されたものだろう。

「富士風穴略説」リンク先: 山梨県デジタルアーカイブ [https://digi.lib.pref.yamanashi.jp/da/detail?tilcod=0000000021-YMNS0121473. 最終閲覧確認 2025.08.05]

[2025.08.10 記]
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