初期検印紙調査メモ [国立国会図書館デジタルコレクション]. 東西館(明治12年3月)

藤田久道が出版した「漢文内國史略」に検印紙が貼られている。確認したのは国立国会図書館デジタルコレクション公開本。
編者で出版人の藤田久道については詳細がわからない。「文明笑話」の見返しには言梁の号がある。
「北佐久郡志資料集」(1967) の「北佐久郡町村別寺子屋調査票」には慶応2年から明治8年まで、岩村田町で寺子屋を開いていたとあり、
倉沢剛「小学校の歴史3」(1989) では、長野県最初期の小学校教員として "准五等訓導 明強學校(佐久郡根々井村)藤田久道" とある。

漢文内國史略」. [国立国会図書館デジタルコレクション リンク先 https://dl.ndl.go.jp/pid/11581876. ログイン必要、最終閲覧確認 2025.08.15]
5巻5冊。 第一巻見返しの表示は "漢文内國史略"。表紙題箋は "漢文 内國史略 藤田久道編次 増田貢校正 一"。
第五巻奥付は下記の通り。
版權免許 明治十二年第三月五日 [朱印 價壹圓二十五錢]
東西館藏版 [朱印 東京東西館藏版記]
編次兼出板人 長野縣士族 藤田久道 東京下谷區徒士町三丁目七十五番地
検印紙は第一巻見返し右上部に貼られていて、楕円形の不鮮明な割印が見える。
ほぼ正方形、一辺約 27 mm.、版面ほぼ同大、茶色単色、中央に日本地図と "大日本國圖"、四隅に "東"、"西"、"館"、"証" とある。
周囲の図柄は何かわからない。鶴亀のようにも見える。

[2025.08.20 記]
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