原亮三郎 (1848-1919) は金港堂の創業者。後には衆議院議員も務めた。
調査したのは増田貢增補「增補標註通鑑擥要」。和装、附録前編二巻、正編十九巻、続編八巻、明史擥要八巻、全15冊。
前編の見返しは "標註增補通鑑擥要"。
奥付は正編第八巻、十九巻、明史擥要第八巻の巻末にある。正編第八巻の奥付は以下の通り。
明治十三年十一月二日版權免許
同 十七年九月出版 定價金一円二十錢
增補 東京府士族 增田貢 下谷區西黒門町二十一番地
出版 同 士族 原亮三郎 日本橋區本町三丁目十七番地
發兌 大坂 兵庫 岐阜 東京 金港堂
検印紙
は奥付上部に貼られている。31 × 27 mm.、版面 30 × 25 mm.、目打無し、灰褐色単色、平版に見える。
中央に原の肖像、上部に "金港堂證"、下部に "原亮三郎"、右に "大日本東京日本橋區"、左に"本町三丁目十七番地"、四隅に "版權免許" とある。
割り印は "金港堂章" の丸印。外周の雷紋のような模様は "原" を図案化したものだと思う。
稲岡氏がアステ3号 (1985) で図示している金港堂の検印紙は、全体のデザインは同一だが、印刷は暗朱色に見え、肖像(特に首元)が微妙に異なっている。
また、同じ印面の割印が押されているが、この割印が同一のものだとすると検印紙の大きさは私が調べたものよりも小型(比率で計算すると版面縦は約 25 mm.)である。
幾つかのバラエティがあるように思われるが、多くの例を検討できていない。
[2025.10.20 記]
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