片山淳吉 (1837-1887) の経歴は岡本正志の「『物理階梯』の編者片山淳吉の生涯」(科学史研究 ; II,24, p.84-94. 1985) に詳しい。
「物理階梯」は明治前半に広く使用された教科書で、上中下巻3冊、改版もある。
続編も上中下巻3冊として刊行する予定だったが、上巻の気象学のみが附録として出版された。
調査したのは国立国会図書館デジタルコレクション公開本 「物理階梯附録」、和装、1冊。
見返しは "片山淳吉編纂 | 物理階梯 附録 | 天梁館藏梓"。
奥付は以下の通り。
版權免許明治九年四月十七日
譯者出版人 東京府士族 片山淳吉 下谷中徒町一丁目卅二番地
發兌書肆 同平民 石川治兵衛 馬喰町二丁目一番地
なお、上記出版事情のため、緒言、目録、版心には「物理階梯續編」とある。
緒言の日付は明治十年五月。続編を附録に改めた事情を説明する附言は明治十二年十一月付けで、出版日の明記はない。
検印紙は見返し右下部に貼られている。唐草模様に囲まれた楕円枠があり、枠内に "天梁館藏梓之印" とある。
割印は二つ、右上の方形印は "かたやま"、左下の方形印は判読困難だが、部分的に "淳" の字が確認できる。
「物理階梯附録」のアドレスは下記の通り。[最終閲覧確認日: 2025.10.30]
「物理階梯附録」.
[国立国会図書館デジタルコレクション リンク先 https://dl.ndl.go.jp/pid/830287]
[2025.11.10 記]
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