版面の劣化

長年使われた証紙の図案は度重なる増刷の結果だろうか、当初の図柄とはずいぶんかけ離れてしまったものがある。

[1] 三笠書房の例。
三笠書房は、戦後一度倒産した後に同名で再建したようだが、戦前戦後を通じて同じデザインの証紙を使っている。
枠には木の枝につかまる子供達が描かれていて、丘の上に佇む鹿のような2匹の動物が描かれている。
1936年出版の証紙は両者とも明瞭だが、だんだん不明瞭になり、1958年出版の証紙では何なのかよくわからなくなっている。

是清翁遺訓 / 大久保康夫, 1936(左). 孤獨の人 / 藤島泰輔, 1956(中). 大名華族 / 蜂須賀年子, 1958(右)より。
36 56 58