アミロイド反応の試薬について

菌類を検鏡する時に複数の試薬を使いますが、特にアミロイド反応を調べる試薬を頻繁に使用します。
組織の反応等を検する場合もありますが、特に子嚢先端(頂孔)のアミロイド反応を調べるのに欠かせません。
子嚢菌、特に盤菌類の論文を読むと、特徴の記述では必ずと言って良いほどこの反応について触れられています。
学生時代から、アミロイド反応を調べるためには多くの成書で紹介されているメルツァー試薬を使ってきましたが、
Baral の論文 (Mycotaxon ; 29, p. 399-450. 1987) を読んで、10年以上前からルゴール試薬も併用していました。
メルツァー試薬との主な組成の違いは抱水クロラールを含まない点です。
盤菌類の観察に対してはルゴール試薬が適しているように思われること、
手持ちの抱水クロラールが少なくなり、今更新たに購入するまでもなさそうなこと等から、今後はルゴール試薬での観察を主とします。
当サイトでのアミロイド反応の記述は、ルゴール試薬を使い始める以前からの記述との一貫性を考慮し、
メルツァー試薬での観察結果を記していましたが、2025年からルゴール試薬による観察結果を記します。
メルツァー試薬とルゴール試薬による反応の違いの詳細等については上記論文を参照いただきたいですが、
当サイトで記している程度の簡略な記述では、ほぼ同じ表現になってしまうので、
メルツァー試薬での反応結果をルゴール試薬のそれと読み替えていただいても、概ね差支えないと思います。
今後、両者による反応が異なる場合は明記するつもりですが、過去の記事で特に注意が必要だと思う個所は思いつきません。
なお、プレパラートが乾くのを防ぐために、少量のグリセリンを添加して使用しています。

(2025.01.01 記)