Pulvinula sp. no.6

Pulvinula sp. no.6

Pulvinula sp. no.6
プルヴィヌラ属菌。9月23日撮影。

[特徴]
地上に群生する。子嚢盤は初め肉厚椀状からほとんど平らに開き、径 2.5 mm. までになる。子実層面はやや透明感のある乳白色、わずかにくすんだライラック色を帯び、後には淡肉色になる。 縁は全縁、初めはやや内屈する。外面も同色、無毛、柄はほとんど無く、やや広く基質に固着し、基部附近にはわずかに菌糸状の毛が基質に伸びる。-- 子嚢は円筒形、薄壁、有蓋、メルツァー試薬に呈色せず、末端は大きく2叉状になる。8胞子を一列に生じる。200-230 × 16.5-20 μm. -- 側糸は糸状、隔壁があり、径 1.6-2 μm.、緩やかに屈曲し、先端は膨らんで径 5 μm. までになり、時にこぶ状になる。一様な無色の内容物がある。-- 子嚢胞子は球形、無色、やや厚膜、平滑、径 14-15 μm.。径 9-10 μm. の一個の油球がやや偏在する。-- 子実下層は径 2-3 μm. の菌糸からなる。托髄層は主にやや角ばった径 12-30 μm. の球形ないし楕円形の細胞からなり、外皮層との境界は不明瞭。 外皮層は厚さ 60-80 μm. 程度、やや縦長で丸みを帯びた径 20 μm. 程度までの多角形細胞からなり、縁部の細胞はやや棍棒状。 基部付近からは径 2.5-3.8 μm. の無色薄壁の菌糸が絡み合いながら伸びる。

[コメント]
落葉樹林内の裸地に群生していたもの。Pulvinula sp. no.3 は肉色を帯びず、側糸先端がやや細めなので区別しておく。Pfister (1976) には該当しそうな白色系の同属種は見当たらない。以後に記載された種の中では P. minor Liu が近いと思う。

[別図2] 10月3日撮影。

[参考文献]
Pfister (1976): A synopsis of the genus Pulvinula. (Occasional papers of the Farlow Herbarium of Cryptogamic Botany ; 9, p. 1-19).
刘 (1991): 我国垫盘菌属两新种. (真菌学报 ; 10(3), p. 185-189).

[最終更新日: 2024.03.05] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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