Schizoxylon sp. no.2

Schizoxylon sp. no.2

Schizoxylon sp. no.2
スキゾキシロン属菌。4月11日撮影。

[特徴]
子実体は寄主組織中に埋没して発達し、短円柱形ないし広口の壷状、直径 0.7-0.85 mm.、高さ 1-1.2 mm. 程度。上部は表皮を破って表面に現れ、凸型に突出する。 表面は細かい白色の粉状結晶物に被われ、亀甲状にひび割れ、淡褐色の子実層が見える。-- 子嚢は長円筒形、先端はやや肥厚し、メルツァー試薬に呈色しない。8胞子を束状に生じる。850-1000 × 7.4-8.5 μm. -- 側糸は糸状、無色、隔壁があり、径 1-1.5 μm.、子嚢よりも長く、子実上層を形成し、先端細胞は瘤状、数珠状など、不規則に膨らんで 4.5 μm. までになり、僅かに屈曲する。 所々に無色の結晶が付着する。子実層表面は砂状の結晶に厚く被われ、子実上層はメルツァー試薬で青変する。-- 子嚢胞子は糸状、無色、薄壁、両端は丸く、まばらに細かい油球を含む。620-800 × 2.3-2.6 μm.。 子嚢内で隔壁を生じ、射出後に切れて長さ 30-60 μm. 程度の分節胞子となるが、子嚢内で切れている様に見える胞子もある。-- 縁部の組織の詳細を確認できなかったが、厚さ 60 μm. 程度、無色薄壁の径 2-3 μm. の菌糸からなる密な絡み合い菌糸組織で、ややゼラチン化しているように見える。

[コメント]
枯枝に発生したもの。寄主はナガバモミジイチゴ (Rubus palmatus)。Schizoxylon 属の菌だろうと思う。 Schizoxylon sp. no.1 と似ているが、子嚢胞子がより長大なので別けておく。

[参考文献]
Sherwood (1977): The Ostropalen fungi II. Schizoxylon, with notes on Stictis, Acarosporina, Coccopeziza, and Carestiella. (Mycotaxon ; 6(2). p. 215-260).

[初掲載日: 2019.01.11] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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