Hymenoscyphus sp. no.22

Hymenoscyphus sp. no.22
ニセビョウタケ属菌。11月3日撮影。
[特徴]
枯茎上に群生する。子実体は有柄ビョウ形、子嚢盤はほぼ平らに開き、径 2.5 mm. 程度まで、ほぼ全体が乳白色ないしクリーム色、時に僅かにベージュ色を帯びる。
縁は全縁、外面は平滑、同色。柄は平滑、ほぼ白色、長さ 4 mm. 程度まで。--
子嚢は円筒形、先端はやや円錐状に肥厚し、頂孔はルゴール試薬で青変する。基部にかぎ形構造はない。8胞子をほぼ2列に生じる。82.5-92 × 8.2-9.4 μm. --
側糸は糸状、ほぼ上下同幅、径 2.5 μm. 程度、下部に隔壁があり、上半には無色で一様な内容物がある。--
子嚢胞子はナメクジ形 (scutuloid) でやや直線的、無色、薄壁、平滑、4ないし6油球が目立つ。両端に細毛は認められない。16.8-19.5 × 3.1-3.8 μm. --
托組織髄層は無色、薄壁で径 3.5-5 μm. の菌糸からなる絡み合い菌糸組織、外皮層の近くではやや平行に走る。
外皮層は厚さ 60 μm. 程度まで、20-30 × 9-15 μm. の無色薄壁の丸みを帯びた矩形状細胞からなり、縁に向かって細くなる。
縁の細胞は先の丸い円筒状ないし棍棒状、15-25 × 3-6 μm.、ほぼ一様あるいはわずかに顆粒状の内容物があり、ルゴール試薬で赤褐色に染まる。
[コメント]
林道脇草叢の不明草本の枯茎に発生していたもの。周囲で優勢だったのはミズヒキだが、表面が平滑な枯茎は有毛のミズヒキとは異なるように見える。
Hymenoscyphus scutula か、その近縁に位置する種だと思うが、子嚢胞子が短い。
Hymenoscyphus sp. no. 20
とは子嚢基部にかぎ形構造が無い点が異なるので、別けておく。
[別図2]
11月3日撮影。
[初掲載日: 2025.11.25] //
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