Hypoderma sp. no.9
Hypoderma sp. no.9
ヒポデルマ属菌。10月28日撮影。
[特徴]
子嚢盤は枯茎上に散生する。周辺の組織は白っぽく脱色されるが、帯線は観察できない。
子座はクチクラ下に生じ、盛り上がった紡錘形ないし長楕円形、表面は黒色、平滑、ややつやがあり 1.5-2.5 × 0.3 mm 程度。
中央に縦溝があり成熟するとスリット状に開いて子実層面が現れる。開口部は灰色に細く縁どられ、子実層面は半透明淡灰色に見える。--
子嚢は細紡錘形、下半は長く伸びて尾状、メルツァー試薬に呈色しない。8胞子を束状に生じる。97.2-114 × 10-11.5 μm. --
側糸は糸状、分岐は認められない。無色、径 1.0 μm. 程度、上半は緩やかに曲がりくねる。--
子嚢胞子は長紡錘形で僅かに弓型に湾曲し、先端は丸く、末端はやや細まる。無色、薄壁、平滑、少数の油球を含み、全体が薄い被膜がある。28.8-34.5 × 2.8-3.4 μm. --
開口部には舌状細胞がある。淡黄褐色、径 3 μm. 程度で先端が棍棒状に膨らむ細胞が柵状に並び、最大長 45 μm. 程度、やや厚膜で互いに合着し、ゼラチン化しているように見える。--
子嚢盤周辺には小さな褐色点状の分生子殻と思われるものが散在するが詳細を確認できなかった。
[コメント]
サルトリイバラ (Smilax china) の枯茎に発生していたもの。 Hypoderma sp. no.7 との区別は微妙だが、別種だと思う。
[初掲載日: 2021.03.22] //
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