Lophodermium sp. no.5
Lophodermium sp. no.5.
ロフォデルミウム属菌。4月24日撮影。
[特徴]
子嚢盤はアカマツの落葉の主に凸面側(時に凹面側にも)に発生する。
上面の殻皮は表皮細胞下に形成されるが、上面中央付近はクチクラ下に生じる。
殻皮は炭質黒色、楕円形ないし紡錘形、長径 0.8 mm. 程度まで、成熟すると中央がスリット状に開口し、灰色の子実層を表す。
帯線はほとんど見られないかあるいは淡褐色のやや不明瞭な帯線が少数形成される。--
子嚢は円筒形、薄壁、未熟な子嚢は先端がやや乳頭状に肥厚する。メルツァー試薬で呈色しない。8胞子を束状に生じる。94-118 × 10.0-11.5 μm. --
側糸は糸状、隔壁があり、無色、径 2.0 μm. 程度、子嚢よりやや長い。先端は膨らんで棍棒状になり径 3.5 μm. まで。--
子嚢胞子は糸状、先端は丸く、末端はやや細くなる。細かい油球をまばらに含む。
射出された子嚢胞子は緩やかに曲がりくねり、全体がゼラチン被膜に包まれる。 91-103 × 1.7-2.3 μm. --
殻皮の裂開部には無色の舌状細胞層がある。薄壁で隔壁のある先端の丸い細胞が柵状に並び、最大の厚さは 15 μm. 程度。
子嚢盤底部中央には寄主の表皮細胞が 6-7 個並ぶ。
[コメント]
アカマツの落葉に生じていた物。Lophodermium sp. no.3 と同じものかもしれない。
不明瞭な帯線がある、子嚢胞子が長い、等の点が異なるので区別しておく。
[初掲載日: 2017.08.18]