Lophodermium sp. no.8
Lophodermium sp. no.8
ロフォデルミウム属菌。7月5日撮影。
[特徴]
子嚢盤は枯れ枝に散生する。周辺の組織は白く脱色するが、境界に帯線は認められない。
クチクラ下に生じ、盛り上がった広紡錘形で長さ 0.6 mm. 程度まで、殻皮は黒色、つやは無く、上面中央が長軸方向にスリット状に開口し、子実層が現れる。
子実層面は僅かに褐色を帯びた乳白色、開口部の縁部は灰色に縁どられる。--
子嚢は細い柄のある紡錘形、先端はやや円錐状、メルツァー試薬に呈色しない。8胞子を束状に生じる。60-66 × 6.0-6.5 μm. --
側糸は糸状、ほぼ上下同幅、無色、隔壁があり、径 1.0-1.2 μm. 程度、先端は J 字形に曲がるものが多い。--
子嚢胞子は糸状で僅かに弓状に曲がる。無色、薄壁、平滑、上端は丸く、下端はやや細まって尖る。内容物は認めにくい。
上端部は時にマッチ棒状に膨らみ、僅かに被膜があるように見えるが、それ以外の部分には被膜はほとんど認められない。28-34.2 × 0.9-1.2 μm. --
子嚢盤下部には褐色で径 2.5-4 μm. の多角形細胞の層がある。
殻皮の舌状細胞は柵状に並び、淡色、先端は僅かに膨らんで丸く、長さ 15 μm. 程度、合着し、やや厚膜でゼラチン化しているように見える。
[コメント]
ミズナラを主とした落葉樹林内の細い落枝に発生していたもの。広葉樹の落枝と思われるが種類はわからない。
Lophodermium sp. no.7 としたものと特徴が似ていて、同種かもしれないが、子嚢胞子が若干短いので区別しておく。
[初掲載日: 2019.05.10] //
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