Wilsoniana achyranthis
Wilsoniana achyranthis (Henn.) Thines
イノコヅチ白さび病菌。9月25日撮影。
[特徴]
遊走子嚢堆は葉の裏側の表皮下に形成され、不整円形から楕円形の乳白色水ぶくれ状で、時に融合して雲形になる。径 1-3 mm. 程度。葉の表面側は黄色く退色する。
成熟すると表皮が破れて遊走子嚢が乳白色の粉末状になって飛散する。--
遊走子嚢柄は表皮下に叢生し、棍棒状、無色、20-32 × 11-15.2 μm.。先端に求心的に遊走子嚢を形成し、遊走子嚢は短い連結部によって数個が連鎖する。--
遊走子嚢は広卵形ないし亜球形、無色、赤道部附近はやや厚膜、平滑、15.7-19.5 × 13.7-16.3 μm. --
卵胞子は確認できていない。
[コメント]
夏から秋にかけて、イノコヅチ (Achyranthes bidentata) に発生し、普通に見られる。Thines and Spring (2005) によって Albugo 属から移された。
従来 Albugo 属は遊走子嚢膜の厚さにより、同厚の Aequales 群と、赤道部が肥厚する Annulati 群に分けられていたが、
Thines and Spring (2005) は遺伝子解析に基づき Albugo 属から Pustula 属、Wilsoniana 属を分離した。
Wilsoniana 属には Aequales、Annulati 両群の菌が含まれ、本菌は Annulati 群に、同属のスベリヒユ白さび病菌
(W. portulacae) は Aequales 群に該当する。
[参考文献]
Thines and Spring (2005): A revision of Albugo (Chromista, Peronosporomycetes). (Mycotaxon ; 92, p. 443-458).
伊藤 (1936): 大日本菌類誌. 第一巻 藻菌類.
[初掲載日: 2024.10.26] //
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