Erioscyphella sp. no.4
Erioscyphella sp. no.4
エリオスキフェラ属菌。7月3日撮影。
[特徴]
落葉の主に裏面に散生ないし群生する。子嚢盤は有柄、椀形からほぼ平開する。直径 1 mm. 程度まで。
子実層は乳白色からクリーム色、縁はわずかに内屈し、縁毛は短い。外面もほぼ同色ないしやや濃色で微毛状、柄は短く、基部に向かって象牙色を帯びる。--
子嚢は円筒形、先端は鈍円錐状になって肥厚し、頂孔はメルツァー試薬で微小な点状に青変するが、確認できない子嚢もある。基部にかぎ形構造は見られない。8胞子を束状に生じる。74-83 × 6-7.8 μm. --
側糸は細槍状、無色、薄壁、最大径 3.4-4 μm.、先端は子嚢より 15 μm. 程度突出する。--
子嚢胞子は糸状で両端はわずかに細くなり、射出された胞子は緩やかに屈曲し、無色、薄壁、平滑、隔壁は認められない。まばらな油球を含む。55-63 × 1-1.5 μm. --
托組織髄層は絡み合い菌糸組織、外皮層は厚さ 30 μm. 程度まで、10 × 20 μm. 程度までの丸みのある矩形状のやや厚膜の細胞からなる。
毛状菌糸は最外層の細胞より生じ、無色、薄壁、少数の隔壁があり、先端は丸く、表面全体が細かい顆粒状。顆粒はほぼ無色だが、先端付近では大粒になり淡黄色を帯びて見える。57-80 × 3.5-4.6 μm.
[コメント]
アラカシ (Quercus glauca) と思われる落葉に発生していたもの。
Erioscyphella sinensis や
Lachnum sp. no.15(これも Erioscyphella 属に移すべき菌だろうか)に似ているが、
子実体の色調がくすんだ感じで、その他の特徴も異なるので別種だと思う。
[参考文献]
Su et al. (2023): Two new species of Erioscyphella (Lachnaceae) from southwestern China. (Current research in environmental & applied mycology (Journal of fungal biology) ; 13(1), p. 16-33).
[初掲載日: 2024.10.16] //
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